皆さんはマーケティングという言葉を聞いた時に、どんなものを思い浮かべるでしょう?
世界的にも有名なピーター・ドラッカー氏いわく、”マーケティングとはセールスを不要にするものである”とのことですが、セールスを不要にするってどういうことなんでしょう?
先日、初めてお会いした建設業を営むH社長から、新規事業進出に関する相談を受けている中で、面白い話題がありました。
もちろん相談内容については、公開できないのですが、雑談の中で私がお伝えした言葉に引っかかったようで、H社長からこんな質問が飛んできたんです。
H社長
「先ほど野村さんは全ての社員がマーケティングを学ぶのが良いと話されていましたが、私たちの会社で働く社員の多くは職人気質で、マーケティングなんて言葉を聞いたことすらない人財ばかりです。このような人財にもマーケティングの知識やスキルが必要なんでしょうか?」
さて、どう思われますか?
私の答えは「YES」でした。
理由はとても単純で、マーケティングというのはお客様の頭の中をリアルに想像し、本当に欲しい商品やサービスを目の前にお届けすることだと考えているから。
冒頭のドラッカー氏の言葉にもあるように、
セールスを不要にするということは、本当に欲しいと思っている人に一番欲しいものを一番欲しいタイミングで届けるということです。
つまり、どれだけ解像度高くお客様の頭の中を想像し、商品やサービスを作り、届けることができるかを考え尽くすということ。
職人気質の方の多くが、「良いものを作れば売れる!」とおっしゃいます。
けれど、「良いもの」というのが”誰にとって”良いものであるのかという視点が抜けていては本末転倒です。
作り手にとっての良いものを追求することは、自己満足以外の何物でもありません。
私たちはお客様あっての商品サービスであるということを忘れてはならないのです。
ということで、全ての従業員にとってマーケティングの知識やスキルは必要不可欠であり、最低限持っておくべき普遍的なものだといえます。
企業には様々な問題が横たわり、たくさんの試練と、数えきれない課題が次から次へと湧いてきます。
これらと向き合う時、「誰が幸せになるのか」という視点で考えることができると、本質的な解決策が見つかるのではないでしょうか?
