新規集客がうまくいかない!
固定客だけでお店がまわせたらいいのに。。
飲食店や小売店、美容院など、特にお客様と直接的な
コミュニケーションを必要とするサービスを提供している方から
このような相談を受けることがあります。
常に新規集客ばかりに気を取られ、
R社みたいな広告会社に高い広告料を支払い続ける毎日・・。
こんな日々に不安を感じる経営者の気持ちはよくわかります。
もっとたくさんのお客さんが、うちのお店のファンになってくれたらいいのに・・。
どうやったら、お客さんはファンになってくれるんだろう?
一昔前は、良い商品・サービスさえ提供していればお客様は増えていく!
これを信じて、商品やサービスを磨き続けることが正義とされていました。
だけど、現代日本においては、商品やサービスの品質って、
そんなに大きな差が無いように感じませんか?
確かに、戦後の日本だったら、”この差”がファンづくりに重要だったかもしれません。
だけど、今はちょっと違うような気がすると感じるのは私だけではないと思います。
もちろん、品質が悪くても良いという話ではありません。
あくまでも品質が高いことはお店を選ぶ上における「最低基準」でしかないということ。
では、人は何をもってファンになるのか?
マーケティングにおいては3つの価値があると定義されています。
その3つの価値というのが、
①機能的価値
→品質や性能、使い勝手、安心、安全といった実利的な機能が生活者にもたらす価値
②情緒的価値
→手に取った人に高揚感だったり充足感だったりをもたらす価値
③自己表現的価値
→自分のスタイルや価値観を表現するための手段としての価値
3つの中では、特に③の自己表現的価値が比較的新しい概念で、
個人のファン化には最も影響力があるものとされています。
①の価値は、商品やサービスそのものの品質や機能といった基本条件。
②の価値は、商品サービスそのものから得られる気持ち的な価値。
③の価値は、自分自身を他人にこう見せたいという欲求を満たすもの
だけどさ、これだけじゃ足りないと思いませんか?
例えば、4つ目の価値として、「社会的価値」のようなものもあって、
これは、同じものを持っている人たちと繋がりをもちたいとか、
同じ価値観を持つ人たちのグループに所属したいという欲求を満たす価値。
当然、個人を表現したいという欲求よりも、自分の居場所(居心地の良い)が欲しい
という欲求のほうが強いので、社会的価値のほうがファン化への影響は強い。
これを踏まえつつ、お店としては何を提供したらファンが増えるのか?
と考えてみてもきっと答えは出てこないと思う。
というのも、言葉が難しいから。
というよりも、人間、そんなに頭つかって生きてないはず。
ファンになるって、もっとシンプルな理由じゃない?
ではどうしたら良いのか?
お店は何に力を入れたらよいのか?
ここまで書いてきた4つの価値は、もちろん大事。
だけど、私的には行動が変わらない定義には意味がないと思ってます。
もっと大事なのは、「別になくても良いけど、これがあったら嬉しいよね」と、
自分自身が思うものに力を入れてみること。
例えば、飲食店の接客や言葉遣いを思い出してみてほしい。
初めてお店に入った理由は、「美味しいご飯が食べたいから」だったはず。
これを求めて入店して、期待通りの美味しいご飯が出てきたら、
満足度は高いけど、「また来たいね~」くらいで終わってしまうはず。
だけど、お店の方の接客に感動して、ものすごく仲良くなってしまって、
すぐにでも会いに来たい!と思ったら、近いうちに再来店すると思います。
これが一番シンプルな”ファン化”のパターンですよね?
お客さんが期待しているものを期待通りに提供するのは「当たり前」。
無くても良いものを感動するレベルで提供するのがファンづくり。
今一度、自社の商品・サービスを振り返ってみてほしい。
無くてはならない価値と、なくても良いけどあったら嬉しい価値。
これをしっかり意識して、後者を磨くことができた時、
気づいた時にはファンであふれるステキなお店になっているはずです。